執事を含め、英国のお屋敷に勤めていたという使用人たち。
大きなお屋敷では、その仕事内容は細分化され、
実はさまざまな階級役職がありました。

現在は「執事=男性使用人」のイメージが強いですが、
この使用人の中の役職を詳しく知っていくと、とても面白いですよ!!
いろいろな妄想が膨らむこと間違いナシ!!

今回は男性使用人の役職について、詳しくお話しようと思います。



実は、執事がお屋敷のトップのようなイメージの方が多いと思いますが
使用人のトップは家令と言います。
何だかもう、家令という単語が既にカッコいいですよね…!!
この役職はハウススチュワードとも呼ばれ、お屋敷の中の使用人の管理を行います。
また、使用人の採用などの人事、経費や帳簿の管理なども行ったそうです。
家令は特に大きなお屋敷にしかいなかったと言われ、経験豊富な男性が就いたそうです。


続いて、グルーム・オブ・チェンバーズです。
ちょっと聞きなれない言葉ですよね。
この役職は来客の対応と、玄関や応接間などの美化に勤めます。
主人を訪ねて来た客人を案内し、客人が利用する備品の管理・補充などが主な仕事です。
すごい…!お客様の為の役職があるなんで…!!
さすが貴族、きっと一日に様々な方が訪ねて来たんだろうな、と想像してしまいました!


さあ、お待たせいたしました!!
ここで執事の登場です。彼等はバトラーとも呼ばれます。
執事はこの後に紹介する、フットマンの上役にあたります。
フットマンたちは経験を積んで、ゆくゆくは執事になるのです。
よって執事はフットマンを従え、酒類・銀食器の管理や、食卓の給仕を行います。
家令のいない家だと、執事が家令を兼任することもあったそうです。

フットマンの上役という位置なので、
執事の役職に就く人は優秀だったんだろうなぁ、と思いながら調べていると、
面白いエピソードを発見してしまいました!

お酒を管理している執事が、ワインの品質を確かめるため味見をしたところ、
そのまま全部飲み切って酔っ払い、後で主人から厳しいお叱りを受けたとか…。
完璧なイメージが強いだけに、執事の失敗エピソードがあるなんて、
不謹慎ながら大喜びしてしまいました♪


さて、次はフットマンです。
いわゆる執事の卵で、仕事は客人の対応や主人の外出の付き添い、そして食卓での給仕です。
また時間があると、常に銀食器を磨いているようです。
銀食器を磨く際に使用するのは、「ルージュ」と呼ばれる酸化鉄の粉末です。
これを指に付けて磨くため、慣れるまでは水ぶくれとの戦いだそうです。
新人フットマンの手は柔らかく水ぶくれがある手、
ベテランフットマンや執事の手は硬い手だったと言われています。
もしや執事が白い手袋を常にしているのは、
この手を隠すためなのでは!?
因みに、大きなお屋敷だと、第一フットマン、下級フットマンなど、
フットマンの中にさらに階級があり、仕事ぶりで昇進するそうです。


次は、従者です。こちらはヴァレットとも呼ばれ、男性主人の個人付使用人です。
主人の身の回りのお世話はもちろん、外出時の付き添い、旅行にも同行しました。
主人の荷物の管理も彼らが行った為、オシャレで衣装をたくさん持っている主人だとかなり大変だったようです。
たくさんのスーツケースを運ぶ従者…何だか、想像できますね…。


さて、私が最後は個人的に執事の次に好きな役職ホールボーイです。
実は、使用人としてのキャリアはここから始まるのです!!
ホールボーイは、10歳程の若い少年がなる使用人見習いで、
力仕事などの雑用を行っていました。
(決して私はショタではありませんよ。念のため!)
ただ一番やんちゃな時期の男の子です。
年齢によっては学校に通わせながらお仕事をします。
けれどまだ幼さの残る少年が、一生懸命働いている姿は微笑ましいですよね。
ここで修業を積んで、彼等もやがてフットマン、執事へと昇進して行くのです。


また、男性使用人がいない小さなお屋敷の場合は、
女性のメイドがこれらの仕事を一手に引き受けてています。

因みに余談ですが、現在は男性の方が多いお料理を作るシェフは、
この時代ではキッチンメイドと呼ばれる女性使用人が担当していたことが多いようです。

それぞれ役職を紹介しましたが、使用人の配置に決まりはありません。
お屋敷の全てのルールは、主人によって変わります!!
どのくらい使用人を雇っていたか。
どの役職が置かれていたか。
こんな大きなお屋敷なのに、家令がおらず執事しかいない…なんて知ると
実はこの屋敷の主人ったら、めっちゃワンマンの強欲親父では?とか
そこから屋敷の経済状況や主人の人柄が想像できるので面白いですよね